パリ・エコール・ルノートルで学んだgâteaux達

フランスがはるか遠い国と思っていた1980年代・パリ郊外のエコール・ルノートルの授業に参加する機会が得られました。

デモンストレーションのみでしたが、今田美奈子先生の本を読んで初めて知ったケーキの名前の美しさ、その由来や生い立ちの楽しいお話に感動し、お菓子の本と思えぬ華やかなカラーページにうっとりと見とれていても、ガトーというフランス語にもなじめず、スポンジケーキも上手く焼けず、デコレーションケーキにのっているバラの花を憧れの目でみていた私には、先生方のその作業は神業のように見えました。全てのことが衝撃的で、ケーキへの認識がひっくり買える位のカルチャーショックの連続でしたが、素晴らしい世界に触れられたのが嬉しく、いつか又、ここに来られたらいいなと思いました。

その後、念願かなってエコール・ルノートルで学ぶ機会を持てるようになりました。「さすが!これぞプロの仕事だ」と感動することばかりで、レシピも素晴らしく、味も最高で特に、ケーキを美しく、おいしそうに見せるコツは学ぶこと、得られることが多いです。帰国後、自宅で練習し、レパートリーに取り入れたレシピも数多く、教室でも紹介しています。
ただ、器具、材料の都合もあり、全く同じ物を再現することは無理なのが残念ですが、制約のある中であれこれ考えて作った私のgateaux達です。